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麻のおはなし
リネンは麻ではないの?
ヘンプって何?
一口に麻と言っても様々な種類があります。
麻は植物の茎や葉からとれる繊維の総称。日本では麻と言われる植物が20種類以上あり、全世界には100種類以上あると言われています。自然素材と言えばコットンが代表的ですが、実はコットンの歴史は日本では比較的新しく、一。般に広まったのが16世紀と言われています。
それ以前より身に着けられていたのは麻と絹でした。絹は高級品ですので、庶民が身に着けていたのは麻と言われています。12000年前の遺跡からも麻生地が見つかっています。古来より衣服をはじめ、日本人の暮らしに深く根付いていたのが麻でした。
現在日本で主に服地として使われている麻について
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リネン(亜麻)
ヨーロッパの麻。明治時代に入ってきた日本では新しい麻です。
現在の麻生地の主流になっているのがこのリネンです。 -
ラミー(苧麻)
古来より日本で繊維として使われてきました。細い糸が取れることから江戸時代には高級品とされてきました。
シャリ感があるのが特徴で夏に涼しく着ることができます。 -
ヘンプ(大麻)
古来より日本で繊維として使われてきました。戦前までは麻といえば大麻の事をさしました。
麻の中で一番しなやかに柔らかくなる素材です
※ヘンプ(大麻)は「植物繊維(ヘンプ)」と表記されます。
麻の大きな特徴が速乾性です。
すぐに乾くので洗濯もらくちんです。
雑菌は濡れている間に繁殖するので、すぐに乾けばその分雑菌が繁殖せずに清潔に使えます。
さらに麻(ヘンプとラミー)には天然の抗菌性があります。
通気性、吸湿性、吸水性がいいのでムレずにべたつかずにさらっと気持ちよく使うことができます。
ムレないということは臭いも抑えられ、さらにヘンプには天然の消臭効果もあります。
麻は一番強い天然素材。
水に濡れるとさらに強度が増すので、気にせずじゃぶじゃぶお洗濯する事ができます。
使い込むほどにしなやかに馴染んできます。
夏のイメージの強い麻素材ですが、ヘンプとリネンは速乾性がありべたつかずに、コットンよりも温かく冬でも着られます。
ヘンプ(大麻)について
戦後GHQが入ってきて大麻取締法が制定されました。マリファナ、麻薬として悪者にされていますが、古来より麻と言えば大麻のことを指しました。
調湿性、殺菌性、消臭性、保温性に優れとても丈夫な素材です。麻の中で一番しなやかになるのがヘンプだと言われています。現在は原料が手に入りにくくとても高価な素材となっています。
日本では「聖なる雑草」と言われていて、亜熱帯からツンドラ気候まで地球上のいたるところで栽培することができ、3,4か月で3~4mまで伸びる非常に生命力が強い植物です。二酸化炭素を大量に吸収し、環境に優しく、今注目を集めています。
日本では繊維だけではなくロープや漁網、食料、油、薬、建材、和紙など、様々なものに利用されてきました。
神道と深いつながりがあり、神社の注連縄や鈴縄には大麻が使われています。
古来より日常のあらゆるところに大麻が使われてきたことから、麻を知ることで自然と共存してきた日本人の暮らしを感じることができます。
戦後断たれてしまった麻文化。日本人が忘れてしまった精神性を取り戻すためにも、大麻は今後さらにキーワードになるとつきのわは考えています。
つきのわの橋本利枝は元々自然素材が大好き。
アトピー性皮膚炎で肌が弱い事から、コットンや麻などしか身につける事ができませんでした。
その中でも一番好きだったのが麻素材です。
麻のさっぱり凛とした素材感が好きで、清潔に保てることから、布ナプキンや下着に適した素材だと思い探してきました。 中々納得できる素材に出会う事が出来ず、ブランド立ち上げの頃はオーガニックコットンの布ナプキンを製作していました。それでも麻への想いは強く、いい麻素材を求めて海外にも行ってきました。
タイではいい素材に出会えましたが、原材料や製造工程が不明確なため、あまり使いたくはありませんでした。
安心できる国産でいい素材はないか?と探していて出会えたのが近江の麻です。
初めて近江の麻を触った時に、その柔らかさに驚きました。滋賀県の湖東地域は室町時代から続く麻織物の産地であり、かたくてゴワゴワするイメージがある麻をかたくも柔らかくも色々な表情に仕上げられるだけの高い技術力があります。
すっかり惚れ込み、近江の麻でものづくりをするために滋賀県愛荘町に移住しました。
5年間滋賀で暮らしたのち、現在は結婚し主人の仕事の関係で岐阜県多治見市に暮らしています。